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NST(栄養サポートチーム)

  • NSTとは
  • NSTの役割と活動目的
  • 当院NSTの概要(あゆみ、施設認定、構成スタッフ)
  • 活動と取り組み
  • NST豆知識

 NST(Nutrition Support Team)とは?

NSTとは「Nutrition Support Team」の略で、日本語にすると「栄養サポートチーム」と和訳されます。

NSTは、患者さまに最適の栄養管理を提供するために、医師、看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、言語聴覚士などで構成された多職種の医療チームです。

 

当院は2005年より活動を開始し、日本静脈経腸栄養学会(現日本臨床栄養代謝学会)(2007年)、日本栄養療法推進協議会(2008年)より、「NST稼働施設」 として認定されました。

また、日本静脈経腸栄養学会認定の 「NST専門療法士」 が4名在籍しています。

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

→ NSTオリエンテーション(2021年4月NST勉強会資料(PDF))

NSTの役割と活動目的

NSTは入院患者さまの栄養状態を評価し、病気や手術のために十分な食事が取れない患者さまに最も適切な栄養補給方法や、病気の回復や合併症の予防に有用な栄養管理方法を提言します。

そして患者さまの栄養状態の改善・治療効果の向上・合併症の予防・QOL(生活の質)の向上・在院日数の短縮・医療費の削減などを活動目的としています。

 

NSTに関わる各職種の役割

職種

役割

医師

・対象患者さまの問題点の提示
・栄養療法に関するプランニングの最終的な決定・評価

看護師

・対象患者さまの抽出
・栄養状態・摂食状況の継続的な把握
・静脈・経腸栄養ルートの管理・維持
・経口栄養への移行推進(嚥下・摂食障害訓練へのアプローチ)
・生活状況を踏まえた退院時指導(患者さま・ご家族さま)

管理栄養士

・対象患者さまの抽出(栄養管理計画書)
・栄養アセスメント
・経腸・経口栄養療法の詳細なプランニング
・栄養指導

薬剤師

・対象患者さまの抽出
・栄養薬剤・栄養輸液メニューの提案、指導
・栄養輸液・混合輸液の投与法の管理
・投与経路に応じた内服薬の形態提案(簡易懸濁法の情報提供)

・患者さま・ご家族さまへの栄養薬剤の説明と服薬指導

臨床検査技師

・検査値からみた低栄養状態の入院患者さまリスト提示
・検査データの情報処理
・検査データの解析
・追加すべき検査、検査の選択、検査の必要性等

言語聴覚士

・嚥下状態の評価、嚥下訓練指導

事務職員

・マニュアル作成など事務手続き
・院内外連携の調整

 

概要                                                           

 

当院のNSTのあゆみ

2005年9月

 院長直属の組織として誕生

2007年2月

 日本静脈経腸栄養学会NST稼働施設認定

2007年9月

 日本栄養療法推進協議会NST稼働認定施設認定

 

施設認定

日本臨床栄養代謝学会NST稼働施設認定

日本栄養療法推進協議会NST稼働認定施設認定

 

構成スタッフ (2021年4月現在)

コアスタッフ(NST委員会メンバー)

    医師2名

    管理栄養士1名(NST専門療法士)

薬剤師2名(NST専門療法士)

    言語聴覚士2名

    看護師2名(師長1名、主任1名)

    臨床検査技師1名

    事務 1名 (医事課1名)

栄養科スタッフ(管理栄養士)

薬剤部スタッフ(薬剤師)

各病棟のリンクナース 各病棟1名

 

 

活動と取り組み

当院のNSTは毎週木曜日褥瘡回診後とPM5時から全病棟の対象患者さまに回診を行っています。

回診後の勉強会(月1回)、症例報

告会(月1回)、全職員を対象とした講演会(年1回)を行うことで、メンバーの知識の向上、職員に対する啓蒙活動を行っております。

 

  • 2021年度NST勉強会

    (今年度は状況を見ながら検討していきます。予定が分かり次第更新します。

    ●過去の勉強会の内容

  ・NSTと感染対策

  ・経腸栄養の下痢対策

  ・病態別栄養管理

   (糖尿病、肝硬変、短腸症候群、COPD、腎不全、消化器癌)

  ・便について

  ・亜鉛と褥瘡、味覚障害について

  ・肥満の栄養管理について

  ・緩和ケアの栄養管理について

  ・褥瘡について

  ●過去のワークショップの内容

  ・ 脳梗塞後遺症による誤嚥性肺炎を繰り返す患者さまの栄養管理
  ・ クローン病患者さまに対する短腸症候群の栄養管理
  ・ 肺気腫患者さまに対する栄養管理
  ・ 胃がん術後の栄養管理

  ・ 透析施行中のASOによる足潰瘍治療目的の栄養管理
  ・ 人工股関節置換術後の肥満があるが低栄養の患者さまに対する栄養管理
  ・ 誤嚥性肺炎を繰り返す患者さまのPEG造設後の栄養管理

 

 ●学会等への発表

  ・日本臨床栄養代謝学会(旧日本静脈経腸栄養学会):参加・発表  

  ・千葉県NSTネットワーク

 

NST 豆知識

 栄養療法の選択

消化器機能(消化吸収機能)、強制栄養療法が必要となる期間、嚥下機能、栄養療法の選択において大切なポイントとなる。

経口摂取法 

口から必要な栄養を摂取すること。消化器機能に問題がなく、嚥下機能にも問題がなければ、食事形態の工夫により対応していく。

経腸栄養法

経口摂取が不可能で、消化管を使用することが可能な場合(経鼻胃管、胃瘻、腸瘻)。嚥下機能に問題がある場合や、食欲が無い場合に一時的に使用することもあります。

通常の食事をミキサーにかけた物や、経腸栄養剤を注入します。

経静脈栄養法

消化管の使用が不可能な場合や、病態上消化管を使用しない方が良い場合に選択されます。

栄養剤の種類

天然食品性流動食 消化器機能障害が全くない場合に用いる
半消化態栄養剤 中等度の消化器機能障害がある場合に用いる
消化態栄養剤(成分栄養剤) 高度の消化器機能障害がある場合に用いる
静脈栄養剤 消化器機能が機能していない場合に用いる

 

栄養に関する検査値

身長 体重測定が出来ない場合に、理想体重やBMIを求めるのに必要
体重 理想体重やBMIと比較するために必要
体重の増減も栄養療法を行っていくためには大事な指標
B M I BMI=体重(kg)÷身長(m)2(理想指数は22)
アルブミン
(ALB)
肝臓で合成される蛋白で、血漿蛋白の60%
半減期が約21日間と長いが、長期的な栄養状態の評価の指標となる

   

三大栄養素

蛋白質
脂肪
炭水化物(糖質)

 栄養投与量の決定

総エネルギー投与量 基礎エネルギー消費量、活動の程度、疾病によるストレスの程度から求める
基礎エネルギー消費量 呼吸、心拍や体温の維持など生命維持のために必要なエネルギー量
近似的にハリス・ベネディクトの式により計算される
男女別の式であり、体重、身長、年齢が変数である
活動係数 身体活動の程度によるエネルギー必要量の増加を計数化したもの
ストレス計数 傷害や疾病による、代謝ストレスを計数化したもの
蛋白質投与量 栄養状態や、代謝亢進の状態によって異なるが、1.0~2.0g/kg/日の蛋白質投与量が必要
脂肪投与量 総エネルギー投与量の10~20%を脂肪で投与する 疾患に応じて脂肪投与を増量する場合あり
炭水化物(糖質)投与量 総エネルギー投与量 - (蛋白質投与量+脂肪投与量)
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