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下肢静脈瘤治療

入院することなく下肢静脈瘤の治療が可能です。

下肢静脈瘤でお悩みの方は、心臓血管外科外来を受診ください。
症状により、入院手術が必要な場合もあります。まずはお気軽にご相談ください。

下肢静脈瘤とは

 足の静脈血管は、皮膚の下の浅い所を流れる表在静脈と、筋肉中の深い所を流れる深部静脈があります。深部静脈が本幹で、表在静脈は支流と考えることができます。その表在静脈は足の付け根、ひざの裏などで合流します。

 その中を流れる足の静脈血は、足の運動による筋ポンプ作用の働きで心臓に戻って行きます。そして昇った血液が逆流しないように、静脈血管には静脈弁があります。この弁が立ち仕事や妊娠出産などで壊れ、血液が逆流してしまい、血液の圧力で瘤(こぶ)になる。これが下肢静脈瘤です。女性に多く、一般的な病気です。70歳以上の方では4人中3人に認めるといわれています。 症状として、こむらがえりや立位後の倦怠感、むくみ、ひどくなると色素沈着や皮膚炎、最後には皮膚潰瘍になってしまうこともあります。

 静脈瘤を分類すると伏在静脈瘤タイプ、分節静脈瘤タイプ、網状静脈瘤タイプ、クモ状静脈瘤タイプの4つのタイプに分かれますが、足の付け根やひざの裏から逆流が生じ、手術治療を必要とする人の多くが伏在静脈瘤タイプです。

下肢静脈瘤の検査法

 超音波(エコー)検査を行っています。

下肢静脈瘤超音波(エコー)検査は、お母さまのお腹の赤ちゃんをみる検査と同じで、ゼリーを塗って行う無痛の検査です。

 当院では、下肢静脈瘤の診断・手術の適応・部位の確認にはこの超音波検査を行っています。そのため、下肢静脈瘤再発の兆候を早期に発見し、追加治療や指導をすることにより、再発防止も可能になります。

下肢静脈瘤の治療法

~傷と痛みの少ない治療法~

1.血管内焼灼術(Endovenous Laser Treatment)

 従来の手術と異なり、ほとんど傷がなく、短時間(30分程度)で静脈瘤の治療が可能です。欧米では、広く行われています。 しかし、下肢静脈瘤のレーザー治療には超音波検査(エコー)や特殊な局所麻酔(TLA麻酔)に関する経験と知識が必要です。当院ではこれらの条件が整っており、十分な治療を行うことが可能です。

 ひざの1カ所の皮膚を0.5~1cm程度切ってレーザーのファイバーを静脈の中に入れ、静脈瘤の内側の壁をレーザーで焼き、閉鎖させてしまいます。レーザーで焼かれた静脈は翌日にはふさがり血液が流れなくなり、その後、数ヶ月かけて線維化していきます。

 体へのダメージが極めて小さく、手術時間も30分程度です。また傷口が小さく目立たず、術後の色素沈着もきわめて少ないという長所があり、体にやさしい下肢静脈瘤の治療法としてレーザー治療は世界的には標準的なものになってきています。(注:静脈が浅く皮膚の知くを通っている場合、大きな静脈瘤がある場合は、レーザー治療によるメリットが少なく、ストリッピングをお勧めする場合があります。)

2.血管内塞栓術

血管内塞栓術という新たな治療も可能となりました。Venasealという接着剤を血管内に注入して下肢静脈瘤を治療するものです。利点としては、術前後の痛みの軽減・弾性ストッキングを履かなくても良いことなどがあります。

3.ストリッピング手術(静脈抜去術)

 麻酔はTLA麻酔という特別な局所麻酔を組み合わせて行います(静脈麻酔を組み合わせることもあります)。
手術は足の付け根とひざの2カ所を切開・剥離して、悪くなった血管の内部に手術用ワイヤーを通して、ワイヤーを引き抜くことによって静脈瘤を取り去ります。
当院では全身麻酔で1泊2日または2泊3日で手術を行っています。

4.高位結紮術

 麻酔は局所麻酔、足のつけ根やひざの裏で静脈をしばって(結紮)切り離す治療です。しかし、非常に再発が多いため伏在静脈瘤タイプなどの大きな静脈瘤では治療の第一選択にはなりません。

5.硬化療法

 静脈瘤に細い針を直接刺し硬化剤を注射して血管自体を固める方法です。固まった血管は、次第に萎縮して消えていきます。
硬化療法は外来で行うことができ1回が10~15分程度で終了します。
小さい静脈瘤にはよい方法ですが大きな静脈瘤には有効ではなくほとんどの場合再発します。また硬化した静脈瘤のしこりや痛み、色素沈着がおこることがあります。痛みは徐々に改善し1ヶ月以内で消失し、1~2年以内に色素沈着も治まります。

6.保存的治療法

 立ち仕事や外出のときに弾力性ストッキングを着用します。
足を圧迫することによって静脈瘤による血液の逆流を抑えます。症状が楽になりますが静脈瘤そのものが治るわけではありません。
静脈瘤の悪化や再発の予防のための治療法です

 

 

 

 

 

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